名古屋行きの電車の中から
この間患者さんの学生さんからの聞かれたことです。
どっちからするのが正しいんですか?って。
まず、はっきりとした事実から始めますね。
一流の重量挙げの選手と、一流のマラソンランナーの能力を兼ね備えた人はいません。
毎日何時間も激しいランニングをしている人は、隆々とした筋肉を身につけにくくなり、毎日何時間もウェイトトレーニングをしている人は、長距離などで求められる持久力を向上させにくくなります。
でも、、、
心配無用!!
二つの競技で同時にオリンピックのメダリストになることを目指している人は、おそらくいないので、、、
アスリートの多くは、有酸素運動によって持久力を高めつつ筋肉を維持したいと考えています。
たとえば、ハンドボールやサッカー、バスケの選手は、瞬発力や体の強さを必要としますが、同時にコートを激しく動き回るための持久力も必要です。
だからエアロ(有酸素運動)とウエイトを組み合わせることが必要なんですね。
エアロとウエイトのうち重要な方のトレーニングを先に行うというアプローチはいろんなところで採用されています。
最近までは有酸素であまり疲れてしまっては、重たいバーベルを持ち上げられないので結果として筋肉をつけにくくなるといった考えでした。
しかし近年の研究では、種類の異なる運動の後に、どのような種類の蛋白質が筋肉内に生じるか解明され始めました。
筋肉を肥大させるための細胞内の作用は、持久力を強化するために用いられるのと同じ「マスタースイッチ」、つまりAMPキナーゼという酵素によって部分的に決定されることがわかりました。
問題は、これはスイッチなのでエアロとウエイトどちらもオンにはできないのです。
つまり、「筋肉を大きくする」か「持久力を高める」かのどちらかのスイッチしかオンにできないのです。
そしてこのスイッチは、瞬時に切り替えれないので、運動のはじめにエアロをするか筋力トレーニングをするかでどっちにスイッチが入るか決まるのです。
「自分にとって大事な方から始めるべき」というのが答えです。
どちらも同じくらい重要ならば「毎日の中で、順番を入れ替えながら効果的に組み合わせていくことが大事です。
少し難しかったですかね?
分かりにくくて、もっと詳しく知りたい方はメールでも、コメントでもお願いします!!
最後までお読みいただきありがとうございました。